ビタミンCの多い野菜やフルーツ、飲み物などをランキング形式で紹介!おすすめの摂取方法についても解説
ビタミンCは、細胞や皮膚の結合組織となるコラーゲンの合成に必須の水溶性ビタミンです。細胞を酸化ストレスから守る抗酸化作用やビタミンEを含む他の抗酸化物質を再生する機能も持ちます。
ビタミンCの摂取推奨量は1日あたり100mgほどです。女性の場合、授乳中は少し多めに120mgほどを摂ることが推奨される場合もあります。
今回はそんなビタミンCを多く含む食品、フルーツや野菜などをランキング形式で紹介します。ビタミンCを1日100mgほど摂取できる食生活を考えるうえでの参考にしてみてください。
ビタミンCとは
ビタミンC(アスコルビン酸)は、コラーゲンの合成に必須の水溶性ビタミンです。コラーゲンは、皮膚や臓器をはじめ、人体の至るところの結合組織となるため、ビタミンCは身体の健康において重要な役割を担います。
またビタミンCは抗酸化作用に優れ、活性酸素を消去して細胞を守り、心臓血管系の疾患などを予防します。加えて、ビタミンE(α-トコフェロール)を含むほかの抗酸化物質を再生する力もあり、私たちの美容や健康にとって肝心な栄養成分の一つです。
ビタミンCの摂取推奨量は1日あたり100mgほど
「日本人の食事摂取基準」において、ビタミンCの摂取推奨量は1日あたり100mgと定められています。ビタミンCの抗酸化作用および心疾患の予防効果を期待するのに必要な量は85mg/日です。そのため、未変化体の尿中排泄※等を加味しても、1日100mg摂れば美容・健康にとって有益だと考えられています。
ちなみにアメリカでは、成人男性で1日あたり90mg、女性で1日あたり75mg(妊娠中は85g、授乳中は120mg)が推奨されています。以上を踏まえ、ビタミンCの摂取は1日100g前後を目安にするのがおすすめです。
※未変化体の尿中排泄:体内で代謝されなかったビタミンC(未変化体)が腎臓から尿に溶けて体外に排出されること。ビタミンCの場合、50〜60g/日では起こらず、100g/日では起こる。
過剰摂取のリスクは低いが1日あたり2,000mgほどを上限に
健常な人の場合、過剰摂取のビタミンCは消化管で吸収されず、尿で排泄されます。そのため、ビタミンCは大量摂取したとしても副作用のリスクが低く、日本では耐容上限量が設定されていません。
しかし、ビタミンCの摂りすぎは、下痢や吐き気、腹痛といった胃腸の不調を引き起こす場合があります。また閉経後の女性では心疾患の死亡リスク*が、腎障害のある人では尿路結石のリスク*が上がるかもしれないともいわれています。
よって、サプリメントを目安量以上に摂取するなど、必要以上にビタミンCを摂ることはおすすめしません。摂取上限は、アメリカで定められている1日2,000mgまでを目安にするとよいでしょう。
*一部の疫学研究で懸念されているものの、矛盾するデータもあり、真偽は未解明です。
ビタミンCを多く含む食品ランキング【TOP10】
ビタミンCを多く含む食品ランキングは、果実類のアセロラの含有量が突出するという結果になりました。とくにアセロラジュースに加工される酸味種(第1位)には、豊富なビタミンCが含まれています。
またスーパー等での買い求めやすさで言えば、赤・黄・オレンジのカラーピーマンもおすすめです。カラーピーマンはサラダや炒め物などさまざまな献立に活用でき、なおかつ量も摂りやすいので、食生活に取り入れやすいでしょう。
なお、上記の野菜や果物には、ビタミンCのほか、βカロテンやポリフェノールなどの栄養成分も豊富に含まれています。よってそれらの摂取は、総合的な栄養の向上、改善につながります。
ビタミンC(アスコルビン酸)の含有量が多い食品一覧
続いては、フルーツ・野菜・いもなどのカテゴリ別に、ビタミンCの含有量が多い食品の一覧を紹介します。
ビタミンCを多く含むフルーツ
食品 | ビタミンC(可食部100gあたり) |
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アセロラ(酸味種、生) | 1700mg |
アセロラ(甘味種、生) | 800mg |
グァバ(白肉種、生) | 220mg |
グァバ(赤肉種、生) | 220mg |
ゆず(果皮、生) | 160mg |
キウイフルーツ(黄肉種、生) | 140mg |
アセロラ(10%果実入り飲料) | 120mg |
レモン(全果、生) | 100mg |
キウイフルーツ(緑肉種) | 71mg |
かき(甘がき、生) | 70mg |
いちご(生) | 62mg |
オレンジ(ネーブル、砂じょう、生) | 60mg |
果物の中でもとりわけビタミンCの含有量が多いのはアセロラの酸味種です。サントリーの「ニチレイ アセロラ」をはじめ、アセロラジュースには酸味種が使われているので、意識して買ってみるのもよいでしょう。
またキウイフルーツの黄肉種は、1個(100g)でビタミンCを140mg摂取できます。柿は中サイズ1個(150g)でビタミンC105mgを摂取でき、どちらも買いやすさや摂りやすさの点からおすすめです。
ビタミンCを多く含む野菜
食品 | ビタミンC(可食部100gあたり) |
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トマピー(果実、生) | 200mg |
赤ピーマン(果実、生) | 170mg |
めキャベツ(結球葉、生) | 160mg |
黄ピーマン(果実、生) | 150mg |
オレンジピーマン(果実、生) | 150mg |
ブロッコリー(花序、生) | 140mg |
和種なばな(花らい・茎) | 130mg |
とうがらし(果実、生) | 120mg |
パセリ(葉、生) | 120mg |
洋種なばな(茎葉、生) | 110mg |
なずな(葉、生) | 110mg |
カリフラワー(花序、生) | 81mg |
ケール(葉、生) | 81mg |
野菜の中でビタミンCの含有量が最も多いのは、トマピーをはじめとするカラーピーマン(パプリカ)です。カラーピーマン1個(150g)で225〜300mgほどのビタミンCを摂取できます。
またたくさん量を食べやすいブロッコリーやカリフラワー、ケールなども、ビタミンCを十分に摂るのにおすすめです。
ビタミンCを多く含むいも・でん粉類
食品 | ビタミンC(可食部100gあたり) |
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フライドポテト(市販冷凍食品を揚げたもの) | 40mg |
さつまいも(皮なし、蒸し) | 29mg |
むらさきいも(皮なし、蒸し) | 24mg |
じゃがいも(皮なし、電子レンジ調理) | 23mg |
さつまいも(皮つき、天ぷら) | 21mg |
さつまいも(皮つき、蒸し) | 20mg |
上記の通り、じゃがいもやさつまいもにもビタミンCが比較的多く含まれます。これらの芋類は量を食べられるので、ビタミンCの摂取源としては案外優秀だといえます。
なお、ビタミンCは水溶性なので、調理方法は揚げや蒸しがおすすめです。茹でると湯にビタミンCが溶け出して大部分が損失してしまうので注意しましょう。
ちなみにさつまいもはスライスしてから蒸すほうがそのまま蒸すよりビタミンCの損失が少ないというデータがあります。
ビタミンCを多く含む海藻類
食品 | ビタミンC(可食部100gあたり) |
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あまのり(焼きのり) | 210mg |
あまのり(味付けのり) | 200mg |
あまのり(ほしのり) | 160mg |
海藻類のうち、海苔はビタミンCを比較的多く含みます。例えば、焼き海苔1食(5g)で11gほどのビタミンCを摂取可能です。
またビタミンCのほか、海苔にはβカロテンやα-トコフェロール(ビタミンE)、ビタミンB群も豊富に含まれます。
ビタミンCを多く含む飲み物
食品 | ビタミンC(可食部100gあたり) |
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青汁(ケール) | 1100mg |
せん茶(茶) | 260mg |
玉露(茶) | 110mg |
抹茶(茶) | 60mg |
玉露(浸出液) | 19mg |
せん茶(浸出液) | 6mg |
飲料類では、青汁や緑茶にもビタミンCが多く含まれています。それらはβカロテンも豊富に含むため、優れた「抗酸化飲料」といえるでしょう。
なお、せん茶や玉露は、浸出液だと含有量が下がるので、茶葉ごと摂る(食べる)のがおすすめです。
ビタミンCを多く含む肉類・魚介類の加工品
食品 | ビタミンC(可食部100gあたり) |
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すけとうだら(からしめんたいこ) | 76mg |
ぶた(ばらベーコン) | 69mg |
ぶた(ショルダーハム) | 55mg |
ぶた(ロースベーコン) | 50mg |
ぶた(ボンレスハム) | 49mg |
ぶた(プレスハム) | 43mg |
ぶた(リオナソーセージ) | 43mg |
水産練り製品(焼き竹輪) | 36mg |
すけとうだら(たらこ、生) | 33mg |
ベーコンやハム、ソーセージ、ちくわ、たらこなどの肉加工品、魚加工品にもビタミンCは含まれます。この場合、ビタミンCは酸化防止剤(添加物)として食品の酸化に伴う味や色の劣化を防いでいます。
ビタミンC食品の効率的な摂り方
ビタミンCの最も効率的な摂取方法は、果物や野菜などを生でそのまま食べることです。調理による損失がないため、食品に含まれているビタミンCの多くを吸収できます。
一方、ビタミンCは水に溶け出すので、水さらしや茹でなど、水を使った調理は避けるべきです。ある実験では、野菜や芋類を水にさらすことでビタミンCが8割弱も損失、茹でではそれ以上の損失になることが報告されています。
なお、ビタミンCは熱に対する安定性が高い*ため、加熱調理はしてもとくに問題ありません。βカロテンやビタミンEなど、脂溶性ビタミンの吸収効率を考えると、野菜は炒め物にするのもよいでしょう。
*ビタミンCとして機能するL-アスコルビン酸は熱に対して安定的。酸化されてデヒドロアスコルビン酸になると熱で分解される。
βカロテンの吸収率については以下の記事で詳しく解説しています。
まとめ
ビタミンCを多く含む食品は、アセロラやキウイなどのフルーツ、パプリカやブロッコリーなどの野菜です。そのほか、いも類や海苔、茶葉などにも比較的多くのビタミンCが含まれます。
摂取方法としては、生でそのまま食べるか、蒸し・炒めなどがおすすめです。ビタミンCは水に溶け出すので、水にさらしたり茹でたりするのは避けましょう。以上を参考に、日々の食生活でこまめに摂取することを意識してみてください。
参考文献
- 文部科学省. “食品成分ランキング:ビタミンC”ほか . 食品成分データベース .
- 岡村吉隆ほか, 新調理システムの加熱工程は, 従来の調理法と比較するとビタミンCの損失が大きい. 栄養学雑誌. 2018, 76, 2, 27-33.
- 高橋秀子. L-アスコルビン酸の安定性に及ぼす加熱の温度と時間の影響. 修紅短期大学紀要. 2022, 43, 1, 23-30.
- “なぜ、添加物を使うのですか。”. 日本ハム株式会社. https://faq-nipponham.dga.jp/faq_detail.html?id=152(2024/01/13閲覧).