βカロテンを多く含む食品ランキング|野菜・果物・海藻【摂り方も紹介】

βカロテンが多い食べ物をランキング形式で紹介!効率よく摂る方法も解説します

βカロテンは、野菜や果物などに含まれる赤・橙・黄色などの色素です。有害な活性酸素を消去する抗酸化作用や、体内でビタミンAに変換されて働くビタミンA活性などの効果を持ちます。

今回はそんなβカロテンを多く含む食品をランキング形式で紹介します。美肌や健康に良い食生活を考えるうえでの参考にしてみてください。

なお、βカロテンの摂取推奨量の目安は、成人男性で9600〜10200μg/日、成人女性で7800〜8400μg/日※ほどです。食品からの摂取の場合、耐容上限量はとくに設定されていません。

※「日本人の食事摂取基準(2020年版)」におけるビタミンAの推奨量から推定

βカロテンを多く含む食品ランキング【TOP10】

βカロテンを多く含むランキングは、第一位からしそ、モロヘイヤ、ニンジン、唐辛子、パセリという結果になりました。TOP10で見れば、緑や赤色の濃い野菜類・果物類がランキングを独占しています。

しそや唐辛子、パセリなどは、ちょっとした付け合わせや調味料として利用されますが、少量でも十分な抗酸化やビタミンA活性を期待できます※。また一度に比較的たくさん食べられることを考えると、モロヘイヤやニンジン、青菜、メロンも優秀な「βカロテン食材」といえるでしょう。

※βカロテンの含有量が多いため。5gでも350〜550μgほどを含む。

βカロテンの含有量データ【食べ物のカテゴリ別】

続いて、野菜や果物などのカテゴリごとにβカロテンを多く含む食品を紹介します。メニュー選びや献立の参考にしてみてください。

βカロテンの含有量が多い野菜

食品βカロテン当量(可食部100gあたり)
しそ(葉、生)11000μg
モロヘイヤ(茎葉、生)10000μg
にんじん(皮つき、生)8600μg
とうがらし(果実、生)7700μg
パセリ(葉、生)7400μg
しゅんぎく(葉、生)4500μg
ほうれんそう(葉、生)4200μg
にら(葉、生)3500μg
こまつな(葉、生)3100μg
ケール(葉、生)2900μg
西洋かぼちゃ(果実、生)2600μg
トマピー(生)1900μg
葉ねぎ(葉、生)1500μg
みずな(葉、生)1300μg
こごみ(若葉、生)1200μg
赤ピーマン(生)1100μg
ブロッコリー(花序、生)900μg
オレンジピーマン(生)630μg
参照:文部科学省「食品成分データベース」※摂取や入手がしやすい食品を中心に掲載。必ずしも網羅的でない。

βカロテンを豊富に含む野菜は、シソ、モロヘイヤ、にんじん、トウガラシ、青菜、かぼちゃなどです。

βカロテンは色素なので、色の濃い緑黄色野菜ほど含有量が多くなる傾向にあります。スーパーなどで野菜を選ぶ際は、ぜひ色の濃さに注目してみてください。

βカロテンの含有量が多い果物

食品βカロテン当量(可食部100gあたり)
メロン(赤肉種、生)3600μg
あんず(生)1500μg
かき(干しがき)1400μg
うんしゅうみかん(砂じょう、生)1100μg
セミノール(砂じょう、生)1100μg
パッションフルーツ(果汁、生)1100μg
せとか(砂じょう、生)930μg
すいか(赤肉種、生)830μg
びわ(生)810μg
はるみ(砂じょう、生)690μg
マンゴー(生)610μg
参照:文部科学省「食品成分データベース」※摂取や入手がしやすい食品を中心に掲載。必ずしも網羅的でない。

野菜の場合と同様、赤やオレンジなどの色が濃い果物はβカロテンを豊富に含みます。フルーツを選ぶ際も、ぜひ色の濃さを考慮に入れてみてください。

フルーツの中でもβカロテンの摂取にとくにおすすめなのはメロン(赤肉)です。メロン1玉の可食部は800gほどなので、メロン1/4玉で7200μgのβカロテンを摂取できる計算になります。

なお、うんしゅうみかん、セミノール、せとか、はるみは、全てみかんの品種です。

βカロテンの含有量が多い海藻

食品βカロテン当量(可食部100gあたり)
あまのり(味付けのり)32000μg
あまのり(焼きのり)27000μg
わかめ(カットわかめ、乾)2200μg
わかめ(原藻、生)940μg
ひじき(ほしひじき、油炒め)390μg
塩こんぶ390μg
めかぶわかめ(生)240μg
もずく(塩蔵、塩抜き)180μg
参照:文部科学省「食品成分データベース」※摂取や入手がしやすい食品を中心に掲載。必ずしも網羅的でない。

海藻類も比較的多くのβカロテンを含みます。例えば、味付け海苔や焼き海苔なら1食(3g)で800〜1000μgほどを摂取可能です。

海藻類はミネラルや食物繊維も豊富に含むので、日々の食事で意識して摂取するとよいでしょう。

βカロテンの含有量が多い飲み物

食品βカロテン当量(可食部100gあたり)
抹茶(茶)29000μg
玉露(茶)21000μg
せん茶(茶)13000μg
青汁(ケール)10000μg
紅茶(茶)900μg
玉露(浸出液)0μg
せん茶(浸出液)0μg
紅茶(浸出液)0μg
参照:文部科学省「食品成分データベース」※摂取や入手がしやすい食品を中心に掲載。必ずしも網羅的でない

抹茶、日本茶(緑茶)、青汁、紅茶にもβカロテンは含まれます。これらはビタミンCやポリフェノールなども含む飲料なので、日々の食生活に取り入れると美容や健康につながるでしょう。

注意点として、βカロテンは脂溶性であり水に溶けないため、浸出液には一切含まれません。茶類からβカロテンを摂取するには、茶葉を粉砕した粉末タイプを使うのがおすすめです。浸出後の茶葉を調理して食べるのもよいでしょう。

βカロテンの効率的な摂り方

βカロテンは油脂と一緒に摂ることで吸収率が大きく上昇します。卵や魚類、植物油など、油脂を多く含む食品と合わせて食べるのがおすすめです。

反対に生のままではほとんど吸収されない可能性もあるので注意してください。例えば、サラダを食べる際は、何もつけないよりもドレッシングをかけたほうが数段良いといえます。味付けなしで食べたい場合は、オリーブオイルなどをかけて食べましょう。

βカロテンを効率よく摂取するもう一つのポイントとして、野菜や果物の細胞壁マトリックス※を調理で破壊することです。栄養の吸収を阻害する植物の細胞壁を壊すことで、効率的にβカロテンを体に取り入れられるようになります。具体的には炒め物やジュース、裏ごしなどの調理が有効です。

※マトリックス:細胞壁の基材。セルロース繊維の間を埋め、細胞壁を形作っている。

βカロテンの吸収率を高めるポイントについては、以下の記事で詳しく解説しています。

まとめ:βカロテンは色の濃い緑黄色野菜や果物に多い

βカロテンを多く含む食品は、モロヘイヤ、にんじん、青菜、メロン(赤肉)などです。全体として緑・赤・オレンジの色が濃い野菜や果物に多く含まれる傾向にあります。そのほか、海藻類や茶類などからも摂取が可能です。

βカロテンは高い抗酸化能力を持ちます。また体内でビタミンAとなり、目や皮膚の健康を維持する働きもあります。美容や健康によい栄養素なので、日々の食生活で継続して摂取することを意識しましょう。

参考文献
  1. 「日本人の食事摂取基準」策定検討会 . 日本人の食事摂取基準(2020年版)「日本人の食事摂取基準」策定検討会報告書, 2019, 171-177.
  2. 文部科学省. “食品成分ランキング:β-カロテン当量”ほか . 食品成分データベース . https://fooddb.mext.go.jp/ranking/ranking.html , (2024/01/02参照) .
  3. Ghavami A, Coward WA, Bluck LJ. The effect of food preparation on the bioavailability of carotenoids from carrots using intrinsic labelling. Br J Nutr. 2012 May;107(9):1350-66.
  4. Michael Netzel et al.. Release and absorption of carotenes from processed carrots (Daucus carota) using in vitro digestion coupled with a Caco-2 cell trans-well culture model. Food Research International. 2011, 4, 44, 868-74.